
轢き逃げは、有ってはならない事ですが、運転する以上、この作品で
轢いた者(宗方)が考えたような会社を去らないとならなくなるとか、何年刑務所
に入れられるかとか、考えなくもない。「人を万が一轢いたらどうなるのかな」
と言うのは、あまり考えないようにしていますが、頭の片隅には絶えずある
ような気がします。
主人公は、初めて観る中山麻聖演じる宗方。三田村邦彦の息子らしい。
端正な顔立ちだと思いましたが、ちょっと「何考えているか分からない系」でも
有るかも知れません。そもそも、最初、自動車に二人が乗っていて、女性を
はねた辺りは、何か変な雰囲気と言うか、奇異な空気感が有りました。
後から考えると、初めて観る俳優さん二人が登場したから、僕自身が映画に
入り込んでいなかったからかも知れないと思いました。
この作品、水谷豊が監督だと知って、映画への出演の仕方を考えると少しですが、
納得できる部分も有りました。
岸部一徳、最高ですね。久しぶりに観ましたが、巧い!と思いました。
刑事役をやっていましたが、存在感かなり有りました。

副社長の娘役の小林涼子も掘り出し物的な感じがしました。ですけど、年齢を
余り感じさせない清楚な雰囲気が有り、主人公とは夫婦と言っても理解できる
感じがしました。それにしても、石田法嗣演じる輝、ちょっと演技下手じゃない
ですか??セリフ棒読み感が有って、冷めてしまいました。何か心ここに有らず
的な感じが、最後の大逆転を考えてこの演技をしていたとすると凄いけど。
◆左側の男性(役者:石田法嗣)↓

確かに、作中出てくる、言われるように、嫉妬は二面性が有って、人を良くする
場合と悪くする場合があると言うのは説得力が有りました。にしても、轢き殺された
娘の父がここまで刑事のように実際の犯人を見つけ出すのは、水谷豊くらい
じゃないですか?「相棒」が頭をよぎってばかりでしたよ。こんなに普通の
父親が頭が廻らないですって。
それと、檀ふみさん。素晴らしいですね。言葉が無くても、姿やいで立ちで
心情を察せられるテクニックを持っています。流石です。終わりの方で、手紙を
読むシーンで、早苗さんが「それでも私は秀一さんを待っています」と言った
際にも、決して、自分の娘を殺した男の奥さん?には心を寄せていない心情を
遠巻きでしたが顔色で分かりました。凄いですね。こう言う女優さん。本当に
貴重な存在だと思います。監督、水谷豊が敢えて選んだのでしょうね。
ストーリーは普通でしたが、若い役者さんが頑張って作品にしていたのは
良かったと思います。監督、水谷豊の力量は一作品だけでは分かりませんが、
この作品であれば、一応及第点はもらえると思います。

日常の中の非日常を描くのは難しいと思いますので、良く出来ている作品だった
と思います。監督の次回作品、乞うご期待と言う感じです。
けど、水谷豊はやっぱり「相棒」で観たいですね。
評価点 88点
お薦め度 85点
2019年 127分 日本製作
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